Bloody Mary・ブラッディ メアリー
「ブラッディ・メアリー」は、「ウォッカ」を「トマトジュース」で割り、お好みで「レモン」「スティック・セロリ」「コショウ」「タバスコ」「ウスター・ソース」などを加える、自由度の高いロングカクテルでございます。
[カクテルレシピ]
ウォッカ 40ml
トマトジュース 120ml
カット レモン・カット セロリ
コショウ・タバスコ
ウスターソース
氷の入ったグラスに、ウォッカとトマトジュースを混ぜ合わせ、お好みでレモン、セロリ、コショウ、タバスコ、ウスターソースを入れて完成。
[お酒の解説]
[お酒にまつわる雑学]
このカクテルの誕生に付きましては、諸説あり詳しい事は分かっておりません。
名前の由来に付きましては、「16世紀」のイングランド女王「メアリー1世」の異名をイメージして、作られたカクテルと言われております。
今宵はこのカクテルに因んで、イングランド女王「メアリー1世」の生涯について、お話しさせて頂こうと思います。
「メアリー1世」は「1516年」に、イングランド王「ヘンリー8世」と、スペイン北東部の旧国「アラゴン王国」の王女「キャサリン」の子としてこの世に生を受けます。
「メアリー1世」は、幼い頃よりから厳しい英才教育を受け、世継ぎ争いや両親の離婚など、さまざまな困難を経験するも、1553年の「37歳」の時に「イングランド」の「女王」として即位します。
「メアリー1世」が即位した当時、イングランドは「宗教的混乱」の真っ只中にあり、古来よりキリスト教の権威であった「カトリック教」と、宗教改革によって誕生した「プロテスタント」が、血生臭い「宗教戦争」を行っていました。
ここで余談とはなりますが、キリスト教の「カトリック」と「プロテスタント」の大まかな違いを説明させて頂きます。
「カトリック」は、もっとも古いキリスト教の宗派の一つで、起源は「1世紀頃」の「イエス・キリスト」の時代まで遡ります。
「カトリック」は「教皇」を「最高権威」とし、「聖書」と「教会の伝統」が教義の源であり、教会内部はステンドグラスなどで美しく装飾され、「聖像」などの崇拝が一般的です。
一方「プロテスタント」は、カトリック教会に蔓延した「権力と不正」を正すために「16世紀頃」に誕生し、神学者「マルティン・ルター」や、イングランド王「ヘンリー8世」などの指導者によって導かれた宗派です。
「プロテスタント」の信仰の中心は、聖書のみとする「聖書中心主義」で、「教皇の権威」や「教会の伝統」にはそれほど重きを置かず、教会内部は質素な造りで、「聖像」や「絵画」などの崇拝を避ける傾向にあります。
そんな2つの宗派が激しく対立する時代、幼き「メアリー1世」は、伝統を重んじる厳格な「カトリック信徒」の母に育てられ、自身も厳格な「カトリック教徒」として育ちます。
その後「37歳」で、「イングランド」の「女王」に即位すると、「メアリー1世」は、宗教的混乱を鎮めるべく「カトリック教会」の「権威復興」に尽力します。
「イングランド」を「プロテスタント」から「カトリック」に取り戻そうとする「メアリー1世」の強硬な姿勢は、「血の女王」という異名を与えられてしまいます。
その後も「メアリー1世」は、宗教的混乱を鎮めるために尽力するもその願いは届かず、「1558年11月」病気により「42歳」という若さでこの世去ります。
カクテル「ブラッディ・メアリー」は、血の女王「メアリー1世」をイメージして創られたとされ、少し恐ろしい印象を持たれがちですが、私は「血」の赤色ではなく、彼女が国を想い尽力した「情熱」の赤いカクテルなのではないかと思っております。
様々な説が囁かれるカクテルと人物ではございますが、「メアリー1世」の国を想う気持ちは、これからも人類の教訓として語り継がれ、それと共にカクテル「ブラッディ・メアリー」は、これからも世界中の人々に愛飲され続けて行く事と思われます。
さて今宵は、イングランドの美しい教会に想いを馳せながら、「ブラッディ・メアリー」などいかかでしょうか??
[今回使用したお酒]
[今回使用したバーツール]
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