Caruso・カルーソー
「カルーソー」は、「ジン」をベースに、香り高いワインベースのお酒「ベルモット」と、爽快な「ミント・リキュール」で、構成されたショートカクテルでございます。
[カクテルレシピ]
ジン 55ml
ドライベルモット 10ml
ミントリキュール 10ml
上記のお酒をミキシンググラスにいれてステアして混ぜ合わせる。
[お酒の解説]
[カクテルにまつわるお話し]
このカクテルは、いつ誰がどのような想いで創ったのか、詳しい事は分かっておりません。
名前の由来に付きましては、「1900年頃」に活躍した、イタリアの伝説的オペラ歌手「エンリコ・カルーソー」に因んで創られたカクテルと云われております。
今宵はこのカクテルに因んで、オペラ歌手「エンリコ・カルーソー」に付いてお話しさせて頂こうと思います。
「エンリコ・カルーソー」は、「1873年」イタリア「ミラノ」の貧しい家庭に生を受けます。
貧しかった「カルーソー」は、幼き頃より父と共に、「工場」で働き生計を支え、夜は「聖歌隊」で歌う日々を過ごしておりました。
幼き頃より「才能の片鱗」が溢れ出していた「カルーソー」は、1891年「18歳」の時に、「出世払い」という異例の形で、本格的に「声楽」を学ぶ事を許されると、「音楽の道」に没頭します。
その後、イタリア軍の「兵役」となり、一度音楽から離れるも、「1894年」に兵役が終了すると、再び「音楽の道」に戻り、「声楽」のレッスンを再開します。
「1895年」「22歳」の時に、「ナポリ」でプロデビューを果たし、翌年には「ミラノ」で開催された「オペラ」で大成功を納めると、当時イタリアを代表する名指揮者「トスカニーニ」の目にとまり、彼の率いる「ミラノ・スカラ座」の一員となります。
フランスの「モンテカルロ歌劇場」、イギリスの「コヴェント・ガーデン」、アメリカの「メトロポリタン歌劇場」など、世界的に有名な劇場で「オペラ」を披露した「カルーソー」は、その場にいた全ての観客を魅了し、瞬く間に世界的に有名な「オペラ歌手」へと駆け上がります。
「カルーソー」の持つ「少し暗い性質のバリトン」と、「絹のような柔らかいテノール」を「混用」した、幅の広い唯一無二な「表現音域」は、
彼の前にカルーソーはなく、
彼の後ろにカルーソーはない。
と称され、今日においても伝説的な「テノール歌手」として、世界中の人々を魅了し続けております。
晩年は「喉の病」に侵され、手術により「高音域の発声」に輝きを失うも、「中低音域の力強さ」が増し、若き頃とはまた違った魅力を発揮し、多くの人々に感動を与えました。
「1920年」ニューヨークの「メトロポリタン歌劇場」で、「カルーソー」は上演中に「喀血」し倒れると、そのまま療養を余儀なくされ、翌年の「1921年」療養地として選んだ故郷「ナポリの地」で、「48歳」という若さでこの世を去ります。
「天性の歌声」で世界中の人々を魅了し続けた「カルーソー」は、これからも「唯一無二」の「テノール歌手」として、「オペラ界」に君臨し続ける事と思います。
カクテル「カルーソー」は、ベースの「ジン」で「力強さ」を、香り高い「ベルモット」で「絹のような柔らかい声色」を、そして爽快な「ミントリキュール」で「広がり続ける奥行き」を、見事に表現したカクテルのように私は感じております。
そして、カクテルが持つその美しい色合いは、彼が晩年過ごした療養所から望む、「エメラルド・グリーン」の「ナポリ湾」のように、透き通った「美しい緑色」に輝きます。
さて今宵は、イタリアの伝説的なオペラ歌手に想いを馳せながら、カルーソーなどいかがでしょうか??
[今回使用したお酒]
[今回使用したバーツール]
※当店で使用している製品に近い物を掲載させておりますが、様々な商品がございますのでご参考までにどうぞ。