Mississippi Mule・ミシシッピ ミュール
「ミシシッピ・ミュール」は、香り高い「ジン」をベースに、「カシス・リキュール」と「レモン」を混ぜ合わせ、「ソーダ」で爽快に仕上げたロング・カクテルでございます。
[カクテルレシピ]
ジン 35ml
カシス 15ml
レモンジュース 15ml
ソーダ
レモンピール
ジン、カシス、レモンジュースをシェイカーに入れて混ぜ合わせ、ソーダで満たし、レモンの薄皮を飾り付けて完成。
[お酒の解説]
[お酒にまつわるお話し]
このカクテルは、いつ誰がどのような想いで創ったのか、詳しい事は分かっておりません。
名前の由来に付きましては、「Mississippi」はアメリカ合衆国「ミシシッピ州」を指し、「Mule」は「ロバ」を意味する事から、このカクテルは「ミシシッピ州のロバ」をイメージしたカクテルとなります。
似たような名前のカクテルに、「モスクワのロバ」を意味し、世界的な有名カクテル「モスコ・ミュール」がある事から、「ミシシッピ・ミュール」は、「モスコ・ミュール」の「進化系」カクテルだと考えられます。
今宵はこのカクテルに因んで、アメリカ合衆国「ミシシッピ州」について、お話しさせて頂こうと思います。
「ミシシッピ州」は、アメリカ合衆国「南部」に位置し、州都は「ジャクソン」、面積は北海道の1.5倍程の大きさで、日本のような「四季」が存在し、一年を通じて「暖かい気候」の自然豊かな州でございます。
「州名」の由来に付きましては、アメリカで1番「長い川」と称され、先住民族「インディオ」の言葉で「大きな川」を意味する、「ミシシッピ川」に由来すると云われております。
恵まれた気候と、ミシシッピ川の恩恵により、この州では古くから「綿花栽培」などの大規模な「農業プランテーション」が、開発されて来ました。
この大規模な「綿花プランテーション」を支える労働力として、多くの「アフリカ人」がこの地へと「強制的」に連れて来られ、過酷な環境下で「奴隷」として、労働を強いられる事になります。
その後この悲劇は、アメリカを二分する「1861年」の「南北戦争」へと発展して行き、さらに「ミシシッピ州」周辺は、その戦争の「激戦地区」となり、歴史に「暗い影」を落とす事となります。
このような過酷な環境の中で、「アフリカの人々」が、明日を生き抜くため歌っていた「労働歌」こそが、現代にも続く「ブルース音楽」の根幹であり、「ミシシッピ州」が「ブルースの故郷」と称される由来でもあります。
この「アフリカ人」の「労働歌」は、ミシシッピの人々に大きな影響を与え、「ブルースの王様」と称される「B・B・キング」、「キング・オブ・ロックンロール」の「エルビス・プレスリー」、「ノーベル文学賞」を受賞した「ウィリアム・フォークナー」など、様々な著名人の輩出へと繋がって行きます。
そしてこれからも、心地よく、物悲しくもあり、魂を揺さぶる、ミシシッピの「希望の魂」は、大自然と共に世界中の人々を魅了し、愛され続けて行く事と思います。
さて今宵は、夕暮れの「綿花畑」で、音楽に興じる「労働者達」に想いを馳せながら、「ミシシッピ・ミュール」などいかがでしょうか??
[今回使用したお酒]
※Amazonは代替品を記載
[今回使用したバーツール]
※当店で使用している製品に近い物を掲載させておりますが、様々な商品がございますのでご参考までにどうぞ。