楊貴妃・ヨウキヒ

「ヨウキヒ」は、香り高い「キンモクセイ」のお酒をベースに、「ライチ」と「グレープフルーツ」で構成される、色鮮やかなショート･カクテルでございます。

[カクテルレシピ]

桂花陳酒 25ml

ライチリキュール 10ml

グレープフルーツジュース 40ml

ブルーキュラソー 3ml

上記のお酒をシェイカーに入れて混ぜ合わせる。

[お酒の解説]

[カクテルにまつわるお話し]

このカクテルが誕生した経緯に付きましては、日本で誕生したなど諸説ございますが、いつ誰がどのような想いで創ったのか、詳しい事は分かっておりません。

名前の由来に付きましては、｢世界三大美女」の1人と称される、中国の絶世の美女「楊貴妃」に由来すると言われております。

今宵はこのカクテルに因んで、「楊貴妃」の生涯について、お話しさせて頂こうと思います。

｢楊貴妃」は、今から「約1300年前」の中国「唐の時代」に、蒲州(ほしゅう)･現在の「山西省」の辺りで、地方役人をしていた｢楊一族」の四女としてこの世に生を受けます。

生まれ落ちた時から非常に美しく、｢丸い宝石」の様に可愛く綺麗であった事から、｢玉環｣ (ぎょくかん)と名付けられます。

｢玉環｣は成長と共に、さらに美しさを開花させ、頭は「聡明」、人柄は「温和」、そして「音楽の才能」にも恵まれ、｢才色兼備」な女性として、その名は中国全土へと広がって行きます。

いつしかその名は、｢唐の時代｣の支配者である｢玄宗皇帝」の耳にまで届くようになり、たちまち見初められると、誰よりも「寵愛」を受けるようになりました。

そうして「745年」、｢玉環」が「27歳」の時に、正式に「玄宗皇帝の妃」を意味する「貴妃」となると、｢一族の名」を取って「楊･貴妃」と呼ばれるようになり、その名は世界中へと広がって行きます。

その後2人は仲むつまじく、幸せな時を過ごしますが、｢楊貴妃｣のその美しさは、本人が望まぬとも、様々な権力者たちを「虜」にしてしまいます。

そしてそれが原因の１つとなり、「755年」に「安史の乱」が勃発すると、｢楊貴妃」と「玄宗皇帝」は戦さに敗れ、皇帝は「幽閉」され、｢楊貴妃｣は命を落とし、享年「36歳」という若さでこの世を去ります。

｢玄宗皇帝｣は、その後も｢軟禁状態」で余生を過ごす事となりますが、壁に「楊貴妃」の絵を飾り、生涯にわたり愛し続けたと言われております。

その後「2人の愛」のエピソードは、｢806年」に作られた文学作品「長恨歌」(ちょうごんか)で有名となり、その「ストーリー性」と「詩の響きの美しさ」は、様々な文学に影響を与え、日本の歴史的傑作「源氏物語」にも引用されるなど、今もなお「2人の愛」は語り継がれております。

今日においても｢楊貴妃」の名は、美しさの象徴として、4月に咲き誇る「楊貴妃桜」や、気品ある美しさが有名な「楊貴妃メダカ」など、美しい様々な物にその名が与えられており、｢楊貴妃」の名は「美の象徴」として、今後も世界中の人々を魅了して行く事と思われます。

さて今宵は、1300年前の「絶世の美女」に想いを馳せながら「楊貴妃」など如何でしょうか？？

[今回使用したお酒]

[今回使用したバーツール]

※当店で使用している製品に近い物を掲載させておりますが、様々な商品がございますのでご参考までにどうぞ。

窪田 伸也

グラスはお酒の着物

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バーテンダー歴23年🍸 吹きガラス歴13年🔥 JSA認定ソムリエ🍾 生産者が丹精込めて造り上げたお酒を、 私自身が製作したグラスで、 お客様の口元まで届けるバーテンダー。